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TORENDIA

本土の港を指して

本文約240字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

今野大力

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🎧 本土の港を指して / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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津軽の海風は

暮れ行く夕日の彼方へと連絡船を冷たく吹き送る

桟橋に立ち去り兼ねて見送る人々とも別れて

身をマントに包み

頬をうずめて 物蔭甲板に佇めば

防波堤に点る明滅の灯火も見えずなり

巍然たる函館山の容姿も

次第に海をへだてて

水夫の投げこんだ速度計の速めらるるままに

闇の中に失われゆく

かくて海峡の海は次第に荒く

空よりは白き贈り物音もなく

真闇の中に降り来り、海に消え マストに積る

船は船底にひびくエンジンの音と

波を切り進む海路の跡をしばし残して

ひたすらに蜜柑の木々実る本土の

最北端の港 青森へと馳る

完

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