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TORENDIA

美

本文約380字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

きれいに見えるものだけを美と思う浅い見方をあらため、事物そのものに深く親しむところから自然と美を感じ取るべきだと説く高村光太郎の随筆。

高村光太郎

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🎧 美 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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私は美術のことに從つてゐる者なので、この世の美について常に心を用ゐざるを得ない。そして世人の普通考へてゐるやうな眼や感情に、ただ奇麗に見える事物を直ちに美なりとする考へ方を、もう一歩深めてもらひたいと熱望してゐる。

美とは決してただ奇麗な、飾られたものに在るのではない。事物ありのままの中に美は存するのである。美は向うにあるのではなく、こちらにあるのである。芋蟲は身ぶるひの出る程いやだといふ人達が、蠶はおこさまと言つて吾が子のやうに愛しいつくしむ。それを莊子のやうに、利のあるところに愛ありと解するのは誤であつて、事物に深く親しみ、事物を深く觀察するところから自然とその美を感ずるに至る好例なのである。戰場にある軍人が多く歌俳句を好むやうになるのは一切を洗ひ流した魂がおのづから深い美を萬物に求めるからであらう。美を淺い、うはべなものと思はないやうにしたい。

完

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