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TORENDIA

風に吹かれる木の葉

本文約380字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

風にひらめく木の葉に創生の時代と踊りの姿を重ね、中禅寺湖畔で見た桂の木の喜ばしげな揺らめきを懐かしむ前田夕暮の随筆。

前田夕暮

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🎧 風に吹かれる木の葉 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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風に吹かれる木の葉をみてゐると創生紀時代が思はれる。原始時代の姿が見える。

風に吹かれる木の葉をみると、永遠と瞬間とを同時に感じられる。

風に吹かれる木の葉をみると、踊りを聯想する。しなやかなしろい手をひらりひらりとさせたり、扇をひらり、ひらりさせたりして、顫動的に体を動かす踊を見てゐるやうだ。

木の葉では桂の葉がなかでも踊りの手ぶりをあらはしてゐる。ある夏私は日光中禅寺湖畔に遊んだ時、湖岸に近く数本の薄灰色の喬木が、朝に夕に其光沢のある広卵形の対生の木の葉をひらひらさせてゐるのを、いかになつかしく眺めたか知れない。この木は、あるかなしかの微風にさへ、いかにも喜ばしげに葉といふ葉を日光のなかでひらひらさせてゐる。外の木は静まりかへつてゐるときでさへ、生々とそれこそ嬉々として動いてゐる。この木にばかり風がきて遊んでゐるやうである。その木は桂であつた。

完

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