新憲法の解説
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あらすじ(AIが作成しました)
改正憲法の議会審議に百日余り携わった著者が、憲法の本質である民主的精神や平和への志向を綴る。国民が技術的な規定に惑わされず、清純な常識をもって憲法の原理と向き合う重要性を説く。本書は、専門的な学理的研究を平易明朗な文章に織り込み、憲法の原理と応用を一般国民が理解できるよう解説する。複雑な規定を紐解き、国民が憲法と一体となって新たな歴史の段階へ進むための手引きとして、その普及と円滑な運用のために活用されるべき一冊を収める。
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私は世にも珍らしい幸運者であつた。今囘の改正憲法の議會審議に當り、百餘日に亘つて、兩院の有力なる議員諸君と共に、論議を交換し、或る時は氷よりも冷かなる態度を以て法理の徹底を計り、或る時は熔鐵よりも※[#「執/れんが」、U+24360、2-4]き心意氣に乘つて運營の將來を痛論した。
斯くして日々の檢討に依り改正案の有する各面を内外表裏より事細かに考へた。そしてこれこそは日本國が遲かれ早かれ踏み行かねばならぬ大道を端的に明示するものであり、これに依つて進むことのみが日本國民に負はされた必然の運命であるとの確信を、いやが上に深めた。此の樣な立場に置かれた一身を顧みるとき、此の憲法改正に關連して前述の如く多數の識者に依り斯くも廣く斯くも強く心を開發せられたことは、世にも稀な幸運に惠まれた者と言ふの外に何の言葉があらうぞ。以上は現下の私の心境であるが、これにつけても、國民諸君が速に此の憲法の本體に親しみ、之と融合し、言はば之と一體と爲り、歴史の導く新なる段階に、全身を歡喜に震はせて、突入せられんことを希望して止まない。
所で私が思ふのは、此の改正憲法に親しむには如何にしたらばよいかの點である。一見すれば憲法は文字を以て書き現はされてゐるが、本質は國民の結晶した精神の表現である。從つて國民が精醇化された精神を以て之に對面するとき、卒讀卒解であるべき筈である。
私は斯く考へる。勿論個々の法律的解釋は、其の樣にはゆきかねるが、基本原理に付ては上述の如くであるべきこと疑ない。唯之が爲には若干の精神的な準備を要する。それは僅でよい。それさへあれば各人の清純な常識が萬事を解決する。