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TORENDIA

わが愛する詩人の伝記(三)

本文約11,400字 ・ 読了時間 約23分

あらすじ(AIが作成しました)

室生犀星が親友・萩原朔太郎の生涯と文学的足跡を回想する随筆。長女・葉子が綴った父の思い出から、詩人としての確かな観察眼や父娘の絆、そして朔太郎の人間的魅力を紐解く。酒に溺れ、私生活では妻と別離を繰り返しながらも、原稿の上では豹変する多面的な性格や、最期まで詩を愛した柔らかな人柄を描き出す。併せて、著者自身と朔太郎の親交の記録や、共に過ごした時代の詩壇の状況、数々の詩人仲間たちへの追悼の意を込めて綴る。

室生犀星

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萩原朔太郎の長女の葉子さんが、この頃或る同人雑誌に父朔太郎の思い出という一文を掲載、私はそれを読んで文章の巧みさがよく父朔太郎の手をにぎり締めていること、そして娘というものがいかに父親を油断なく、見守り続けているかに感心した。

葉子さんは三十過ぎだがボンヤリと鳥渡見たところでは、気の善すぎる、だまされやすく騙してみたいような美しさを持っている人だが、この父朔太郎の思い出をくぐり抜けている葉子さんは、なかなかの確かりした人で騙そうとしても引き返さなければならない程の、愉快な手応えを見せていた。

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