TRENDIA CLASSIC

渡鳥いつかへる

永井荷風

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街娼鈴代 (年十九)

アパートのお神さん (年三十)

艶歌師福井 (年廿五、六)

艶歌師松田 (年三十)

ヤクザ斎藤 (年廿五、六)

医師武田先生 (年五十四、五)

おでんや (年五十四)

私服刑事一人

電車従業員二人

酔漢一人

女巡査二人

第一場

向島都電終点附近のさびしき横町。十一月頃の夜十一時過。新内流にて幕あくと女巡査二人下手より出で上手に入る。遊び人斎藤(年廿五、六。顔に疵あり。色白の美男。洋服。)下手より出るトすぐその後より私服の刑事一人出で、

刑事 オイ一寸待て。 ト呼止める。斎藤聞えぬ振にて上手へ行きかける。 刑事 オイ待て。貴様、斎藤だろう。 ト後から組みつく。斎藤振りほどき刑事の急処をつき上手へ駈入る。刑事起直り、 刑事 この野郎。待て。 トよろめきながら追掛けて上手に入る。 舞台暗転。

第二場

都電南千住涙橋附近の横町。十一月頃の夜十一時過。柳の立木。後一面の黒幕。下手寄りに年五十がらみのおでんや屋台を出している。電車従業員らしき制服制帽の男二人屋台の前に立ち、

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