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TORENDIA

渡鳥いつかへる

本文約8,700字 ・ 読了時間 約18分

あらすじ(AIが作成しました)

向島都電終点近くの横町で、街娼の鈴代は、私服刑事から逃走する顔に疵のある美男の斎藤と再会する。鈴代は自身の外套を斎藤に貸して逃走を助ける。その後、鈴代は艶歌師の福井と松田の仲間となり歌で生計を立てようとするが、体調を崩し田舎の家へ戻る。しばらくして、鈴代は再び東京へ戻ってくる。斎藤が訪ねてきて鈴代への礼として金と外套を置いていく。福井たちと合唱を交わしながら、鈴代は三人の歌を夢見ていた日々を振り返る。

永井荷風

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街娼鈴代 (年十九)

アパートのお神さん (年三十)

艶歌師福井 (年廿五、六)

艶歌師松田 (年三十)

ヤクザ斎藤 (年廿五、六)

医師武田先生 (年五十四、五)

おでんや (年五十四)

私服刑事一人

電車従業員二人

酔漢一人

女巡査二人

第一場

向島都電終点附近のさびしき横町。十一月頃の夜十一時過。新内流にて幕あくと女巡査二人下手より出で上手に入る。遊び人斎藤(年廿五、六。顔に疵あり。色白の美男。洋服。)下手より出るトすぐその後より私服の刑事一人出で、

刑事 オイ一寸待て。 ト呼止める。斎藤聞えぬ振にて上手へ行きかける。 刑事 オイ待て。貴様、斎藤だろう。 ト後から組みつく。斎藤振りほどき刑事の急処をつき上手へ駈入る。刑事起直り、 刑事 この野郎。待て。 トよろめきながら追掛けて上手に入る。 舞台暗転。

第二場

都電南千住涙橋附近の横町。十一月頃の夜十一時過。柳の立木。後一面の黒幕。下手寄りに年五十がらみのおでんや屋台を出している。電車従業員らしき制服制帽の男二人屋台の前に立ち、

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