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TORENDIA

象徴の烏賊

本文約430字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

インクを吐く烏賊、毒液を蓄える蛇、涙のように真珠を生む貝など、様々な生き物の生態を魂の隠喩として連ねる生田春月の詩「象徴の烏賊」。

生田春月

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🎧 象徴の烏賊 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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或る肉体は、インキによつて充たされてゐる。

傷つけても、傷つけても、常にインキを流す。

二十年、インキに浸つた魂の貧困!

或る魂は、自らインキにすぎぬことを誇る。

自分の存在を隠蔽せんがために

象徴の烏賊は、好んでインキを射出する。

或る蛇は、常に毒液を蓄へてゐる。

至大の恐怖に駆られると、蛇は噛みつく。

致命の毒を対象に注入しながら

自らまた力尽きて斃れる旱魃の河!

或る蛇の技術は、自己防衛とその喪失、

夏夕の花火、一瞬の竜と天上する。

或る貝は、海底に幻怪な宮殿を築く。

あらゆる苦悩は重く、不幸は塩辛く、

利刃に刺された傷口は甘く涙を流す。

或る真珠の涙は、清雅な復讐である。

奸黠な商売の金庫に光空しく死せども、

美しい夫人の手に彼の涙は輝く。

或る植物は、常にじめじめした湿地に生え、

その身をあまりに夥多なる液汁に包む。

深夜、或る暗い空洞から空洞へ注ぎこまれ、

その畸形なる尻尾を振つて游泳する

或る菌はしばしば死と復讐の神である。

漠雲の中哄笑する、目に見えぬものは神である。

完

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