TRENDIA CLASSIC
四月の夜
中野鈴子
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油気を食べてはいけない
アルコールはなめてもいけない
つかれることはいけない
あんまり話もつづけられない
あんまり本もよみつづけられない
手紙を書くことは
返事を要求することになるので手紙も書けない
それで
郵便もこない
役場の税金
村の盛金
寄附の金らは
一反の田圃から五俵の純益あるものとして割り出されている
田圃一反から 米七俵実る
雇人の賃金一反につき 米二俵半
肥料代一反につき 米半俵
税金のたぐい一反につき 米三斗
そうして
いまは四月の夜
外は日が流れ
花が白く浮いている
遠くを走る旅行者の汽車の音が聞こえて来る
わたしは 寝返りを打って
自分の呼吸をたしかめる
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