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TORENDIA

壁と重石と

本文約280字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

貧しさのなかで嫁入り道具とともに送り出されていく娘の姿を、闇米や税金の重みと重ね合わせ、家と親に背負わされる運命を見つめる中野鈴子の詩。

中野鈴子

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🎧 壁と重石と / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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山裾を走る電車の窓からみた

紋入りに染め上げたおおいをかけ

ふたつの車に積みあげた嫁入り道具が

いま村の端を出かかったところを

春はやいくもり日が暮れかけていた

荷物は運ばれるのだ

うすぐらい物置き倉

古ぼけた姑の箪笥と並ぶために

生まれた家と親とが

この荷物を背負わせ

娘を押し出す

娘は のろのろと家を出てゆく

荷物と娘と一束にして計量にかけ

むすめのいのちに手づけが打たれてしまった

荷物の中につめ込まれている

下落するヤミ米

税金の のこりの金で

買いあつめ 手に入れた

チリメンの 人絹の紋つき はおり

そして 積み込まれている

壁と 重石と カビの生えた昔がたり

目をつぶし ヒザをへし折る壁と 重石と 昔がたりと

完

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