本文へ移動
TORENDIA

朝のヒロインは、どう歩いてきたか ― 『娘と私』から『風、薫る』まで、朝ドラの六十五年

本文約10,100字 ・ 読了時間 約21分

榊原 みづき

速度
🎧 朝のヒロインは、どう歩いてきたか ― 『娘と私』から『風、薫る』まで、朝ドラの六十五年 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 13

はじめに ― 朝の十五分に、六十年以上

朝の支度をしながら、ふと流れてくるドラマ。みなさんにも、そんな朝の時間があるでしょうか。

日本放送協会が放送している連続テレビ小説は、親しみを込めて、朝ドラと呼ばれています。始まったのは1961年です。2026年の前期に放送された『風、薫る』は、第114作と報じられました。1961年から数えると、六十五年たっています。

この本では、その長い歩みを、ヒロインという切り口で読みほどきます。朝ドラのヒロインは、時代ごとに、少しずつ姿を変えてきました。なぜ変わったのか。何が変わらなかったのか。そんなことを、やさしい言葉で考えていきます。

先に、この本の約束を三つ書いておきます。

ひとつめ。事実として書くことは、放送局の発表、報道、国の統計、学術論文など、出典を確かめられるものだけにします。

ふたつめ。筆者の感想や考えは、そのたびに、筆者の意見ですと分けて書きます。事実と意見が混ざらないようにするためです。

みっつめ。俳優さんや作り手の方の私生活には、まったく触れません。恋愛や結婚、健康、お金、人間関係の話は、ひとことも書きません。演技の上手い下手や、視聴率で作品を比べることも、しません。お名前を出すのは、公式に発表された出演作や、公の場で話された言葉に限ります。

耳で聴く本です。作品の名前は、読み間違いを防ぐため、ひらがなで書くものがあります。ゆったりした気持ちで、朝ドラの六十五年を、いっしょに歩いてみましょう。

第1作『娘と私』と、朝ドラのかたち

朝ドラの第1作は、1961年の『むすめとわたし』です。原作は、獅子文六さんの小説だと紹介されています。

この作品の放送は、週に五日で、1回が20分でした。朝のドラマが、毎日、決まった時間に流れる。いまでは当たり前のこの形が、ここから始まりました。

同じジャンルの朗読つきの本