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TORENDIA

新劇雑誌

本文約510字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

新劇雑誌「劇作」の創刊にあたり、今後の演劇運動が果たすべき使命を提言する。西洋劇の紹介に留まらず、日本国内の新機運へ働きかける独自の主張を持つことの重要性を論じる。大衆の観劇欲の誘導や既存の戯曲批評の刷新、過去の新劇運動の総括を通じ、日本における「演劇の本質主義」を追求するよう促す。新劇運動の担い手が自ら観客を惹きつける優れた作品を生み出すことを期待し、今後の演劇界が目指すべき指針を説く。

岸田國士

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🎧 新劇雑誌 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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今度「劇作」といふ雑誌が創刊されるさうである。私の若い友人も二三そのなかに加はると聞いてゐるが、目下新劇不振の折柄でもあるし、この企ては誠に壮とするに足るのである。

恐らく、その名前の示す通り、新作戯曲の発表が主になるのであらうが、この際、私の希望を述べれば、これからの新劇雑誌は、従来のやうに、西洋尖端劇の紹介にのみ終始せず、日本現在の情勢に鑑みて、専ら、国内の新機運に働きかけるやうな一つの主張をもつてほしいのである。

例へば、一般大衆少くとも知識階級の観劇慾を、陳腐愚劣な既成商業劇場から引離すといふこと、文壇批評家の貧弱曖昧な戯曲鑑賞眼を指摘し、これに代る専門的批評家の出現を促すといふこと、明治末期以後のわが国新劇運動、これは厳密に再検討してその功罪を明かにし、今後の出発点を誤らしめないといふこと、これらは何れも、新に生れ出る「新劇雑誌」の使命であらうと思はれる。

殊に、私が最もこの雑誌に期待するのは、近き将来に於て、必ず叫ばれるであらう「演劇の本質主義」を、一日も早く、その作品の上で標榜したらといふことである。「観に行きたい戯曲」を書く作家が、もうそろそろ、新劇運動のなかから生れてもいい頃である。(一九三二・三)

完

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