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著者: 湊 ひびき
はじめに ― 一九七八年四月六日の帝国劇場
一九七八年四月六日、東京の帝国劇場で、ひとつの映画賞の最初の授賞式が開かれました。賞の名前は、日本アカデミー賞です。公式サイトによると、この賞は「米国と同様に映画人が選ぶ映画賞」として生まれました。
あれから四十八年。二〇二六年の第四十九回は、『国宝』が最優秀作品賞に選ばれて幕を閉じました。この本では、最初の年の受賞作と、いまの受賞結果を並べて、日本の映画賞がどう歩んできたかをたどります。
ここで扱うのは、賞の歴史と受賞の事実だけです。出演者の私生活や、授賞式の裏話には触れません。数字と受賞者は、公式サイトの受賞結果ページに書かれているとおりに書きます。
1. 誕生 ― 映画人が選ぶ賞として
日本アカデミー賞の公式サイトには、一九七八年に「映画人が選ぶ映画賞」として日本アカデミー賞が誕生したと書かれています。主催は、日本アカデミー賞協会です。
授賞の対象は、映画の芸術や技術の向上に力を尽くした人と、その作品です。公式サイトの「about」のページには、賞の部門として、作品、監督、脚本、主演男優、主演女優、助演男優、助演女優、音楽、技術、外国作品などが並んでいることも書かれています。
一般の観客が投票する賞とちがい、この賞の大きな特徴は、選ぶ側が映画をつくる人たちだという点です。公式サイトによると、第1回の受賞作と受賞者は、組織委員会から委嘱された千二百人の投票委員による投票で決まりました。
筆者の意見を言えば、映画の世界の内側の人が、内側の人を選ぶという形は、観客の人気投票とはちがう物差しを持ち込むものだと思います。受賞したからといって、必ずヒットするわけではありません。逆に、大きな話題にならなかった作品が、賞で光を当てられることもあります。
2. 第1回の受賞作を読む
第1回の受賞結果は、公式サイトに部門ごとに載っています。開催日は一九七八年四月六日(木)で、会場は「帝国劇場 帝国ホテル」と公式の受賞結果ページに書かれています。