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TORENDIA

勝太郎

本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

日本の音楽に親しみの薄かった著者が、偶然耳にした勝太郎の歌声に惹かれ、そのレコードを愛聴するようになる。本書は、勝太郎の民謡レコードに見られる柔らかな歌声や心地よいリズムを音楽的観点から称賛し、一方で歌詞の改変や伴奏の在り方について素人ならではの率直な不満や期待を綴る論考である。民謡の芸術的価値を認め、その魅力を広く伝える存在として、勝太郎が担う役割の重要性を熱心に論じる。

兼常清佐

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🎧 勝太郎 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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私はニホン音楽をあまり好まない。それでラジオは演芸放送の時間になると必ず切っておくことにしている。それが何時だったか間違って掛けっぱなしになっていた事がある。偶然その時唄ったのが勝太郎である。この実に偶然な機会で私は勝太郎の名と、その綺麗な声とを聞いた。その翌日早速出来心を起して、私は勝太郎のレコードを二、三枚買って来たものである。

何枚もない私の家のニホン音楽のレコードの事だから、私は一つその話をしてしまおうかと思う。実はもう一つ特種があるが、それはまた今度の事にして、まず手近な勝太郎レコードから始める事にする。

と言ったところで私が何も別に勝太郎レコードを研究したわけでもなく、またこれに匹敵するレコードも外にいくらもあるだろうと思う。また不幸にして宣伝が下手なばかりに、これほど有名にならない唄い手もあるだろう。私が偶然勝太郎を撰んだのは、ただこんな一群の人々の代表のつもりである。

勝太郎のレコードには随分おもしろいのがある。諸君は一度こんなものを聞いて見ても、それが決して諸君の音楽鑑賞力の疵にならぬことは確である。諸君はすぐシューベルトが美しいと言うであろう。ガリクルチが綺麗だと言うであろう。しかし、それだから即ち『追分節』が美しくなくて勝太郎が綺麗でないとは言われない。それは話が別である。

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