TRENDIA CLASSIC

広津氏に答う

有島武郎

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私が正月号の改造に発表した「宣言一つ」について、広津和郎氏が時事紙上に意見を発表された。それについて、お答えする。

広津氏は、芸術は超階級的超時代的な要素を持っているもので、よい芸術は、いかなる階級の人にも訴える力を持っている。それゆえ私が芸術家としての立場を、ブルジョア階級に定め、その作品はブルジョアに訴えるために書かれるものだと、宣言したに対して、あまりに窮屈な平面的な申し出であると言っていられる。芸術に超階級的超時代的の要素があるのは、広津氏を待たないでも知れきった事実である。その事実は芸術に限られたことでもない。政治の上にも、宗教の上にも、その他人間生活のすべての諸相の上にかかる普遍的な要素は、多いか少ないかの程度において存在している。それを私は無視しているものではない。それはあまりに明白な事実であるがゆえに、問題にしなかっただけのことだ。

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