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TORENDIA

広津氏に答う

本文約5,100字 ・ 読了時間 約11分

あらすじ(AIが作成しました)

広津和郎が発表した意見に対し、有島武郎が自身の芸術観を論じる随筆。著者は芸術家を三種に分類し、自身を芸術と実生活の乖離に苦慮する第二の立場に置く。ブルジョアジーの生活圏に生きる身として、プロレタリアによる文化創造の必然性を認めつつ、自分がその指導的役割を担うべきではないという信念を述べる。自身の立場を明確にせざるを得ない切実な内面を吐露し、芸術家の社会的責任と階級意識についての持論を改めて展開する。

有島武郎

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🎧 広津氏に答う / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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私が正月号の改造に発表した「宣言一つ」について、広津和郎氏が時事紙上に意見を発表された。それについて、お答えする。

広津氏は、芸術は超階級的超時代的な要素を持っているもので、よい芸術は、いかなる階級の人にも訴える力を持っている。それゆえ私が芸術家としての立場を、ブルジョア階級に定め、その作品はブルジョアに訴えるために書かれるものだと、宣言したに対して、あまりに窮屈な平面的な申し出であると言っていられる。芸術に超階級的超時代的の要素があるのは、広津氏を待たないでも知れきった事実である。その事実は芸術に限られたことでもない。政治の上にも、宗教の上にも、その他人間生活のすべての諸相の上にかかる普遍的な要素は、多いか少ないかの程度において存在している。それを私は無視しているものではない。それはあまりに明白な事実であるがゆえに、問題にしなかっただけのことだ。

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