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TORENDIA

子に与ふ

本文約390字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

刑死を前に、わが子へ法華経のみを形見として残し、悲しみや迷いの時にはこれを念じよと諭す、二・二六事件で処刑された北一輝の遺書。

北一輝

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🎧 子に与ふ / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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遺書

大輝よ、此の経典は汝の知る如く父の刑死する迄、読誦せるものなり。

汝の生るると符節を合する如く、突然として父は霊魂を見、神仏を見、此の法華経を誦持するに至れるなり。

即ち汝の生るるとより、父の臨終まで読誦せられたる至重至尊の経典なり。父は只此法華経をのみ汝に残す。父の想ひ出さるる時、父の恋しき時、汝の行路に於て悲しき時、迷へる時、怨み怒り悩む時、又楽しき嬉しき時、此の経典を前にして南無妙法蓮華経と唱へ、念ぜよ。然らば神霊の父直ちに汝の為に諸神諸仏に祈願して、汝の求むる所を満足せしむべし。

経典を読誦し解脱するを得るの時来らば、父が二十余年間為せし如く、誦住三昧を以て生活の根本義とせよ。即ち其の生活の如何を問はず、汝の父を見、父と共に活き、而して諸神諸仏の加護、指導の下に在るを得べし、父は汝に何物をも残さず、而も此の無上最尊の宝珠を留むる者なり

昭和十二年八月十八日

父 一輝

完

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