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TORENDIA

去年

本文約16,100字 ・ 読了時間 約33分

あらすじ(AIが作成しました)

妻子を養い生活に追われる著者と、境遇の異なる友人との対比を通じて、互いの理解の困難さと絆について綴る。生活の切迫感から文芸に取り組む著者は、妻子との絆を生命の根幹に置く一方で、次々と生まれる子に悩む現実を直視する。ある日、家畜の殺処分という非日常的な光景を目撃し、その惨状に心を深く揺さぶられた著者は、精神の安静を求め、自身の生き方と境遇について思索を深めていく。

伊藤左千夫

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一

君は僕を誤解している。たしかに君は僕の大部分を解していてくれない。こんどのお手紙も、その友情は身にしみてありがたく拝読した。君が僕に対する切実な友情を露ほども疑わないにもかかわらず、君が僕を解しておらぬのは事実だ。こういうからとて、僕は君に対しまたこんどのお手紙に対し、けっして不平などあっていうのではないのだ。君をわかりの悪い人と思うていうのでもないのだ。

僕は考えた。

君と僕とは、境遇の差があまりにはなはだしいから、とうてい互いにあい解するということはできぬものらしい。君のごとき境遇にある人の目から見て、僕のごとき者の内面は観察も想像およぶはずのものであるまい。いかな明敏な人でも、君と僕だけ境遇が違っては、互いに心裏をくまなくあい解するなどいうことはついに不可能事であろうと思うのである。

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