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TORENDIA

血の文字

本文約43,000字 ・ 読了時間 約86分

あらすじ(AIが作成しました)

巴里府プリンス街で医学を修める余は、隣室に住む正体不明の男・目科に不審を抱く。目科は深夜の帰宅や血塗れの負傷、不規則な生活を繰り返し、その素性は謎に包まれていた。ある日、余は目科の誘いで彼の行く先へ同行し、殺人事件の渦中へと足を踏み入れる。事件の容疑者である藻西太郎やその妻倉子、そして生田らが複雑に絡み合う中、探偵である目科と共に真相を追い求めていく実録探偵譚を描く。

黒岩涙香

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前置(著者の)

「あア/\斯うも警察のお手が能く行届き、何うしても逃れぬ事が出来ぬと知たら、決して悪事は働かぬ所だッたのに」とは或罪人が己れの悪事露見して判事の前に引据られし時の懺悔の言葉なりとかや、余は此言葉を聞き此記録を書綴る心を起しぬ、此記録を読むものは何人も悪事を働きては間職に合わぬことを覚り、算盤珠に掛けても正直に暮すほど利益な事は無きを知らん、殊に今日は鉄道も有り電信も有る世界にて警察の力を潜り果せるとは到底出来ざる所にして、晩かれ早かれ露見して罰せらるゝは一つなり。

斯く云わば此記録の何たるやは自ら明かならん、個は罪人を探り之を追い之と闘い之に勝ち之に敗られなどしたる探偵の実話の一なり。

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第一回(怪しき客)

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