TORENDIA
幕末維新懐古談
高村光雲
TORENDIA
幕末維新懐古談
本文約1,400字 ・ 読了時間 約3分
あらすじ(AIが作成しました)
木寄師という仏師の附属職業や、京都と江戸における仏教彫刻制作の分業体制の違いを綴る。京都では短納期に応えるための徹底した分業と商品化が彫刻界の衰退を招いたのに対し、江戸では注文主の芸術的眼識とこだわりにより、良心的な制作環境が維持された様子を記述する。当時の仏師を取り巻く仕事の仕組みや、地域による芸術に対する姿勢の対比を通じて、近代化の過程にある彫刻界の変遷を多角的に考察する。
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木寄せのことを、ざっと話して置きましょう。
仏師に附属した種々の職業が分業的になってある中に、木寄師もその一つであります。これは材料を彫刻家へ渡す前に、その寸法を彫刻家の注文通り断ち切る役なのです。
正式の寸法の割合として、たとえば坐像二尺の日蓮上人、一丈の仁王と木寄せをして仏師へ渡します。結局、仏師が彫るまでの献立をする役です。これは附属職業の中でも重要なもので、それに狂いがあっては大変です。建築でいえば立前だから立前が狂っていては家は建たぬわけ、木寄師がまずかった日には仏師は手が附かぬというのです。
木寄師の仕事はこのほかに天蓋の鉢、椅子、曲、須弥壇、台坐等をやる。なかなか大変なものである。
それから、仏師塗師、仏師錺師等いずれも分業者である。江戸ではその分業が一々際立って、店の仕事が多忙しいとまでは行かないが、中古から(徳川氏初期からを指す)京都の方では非常に盛大なものであった。寺町通りには軒並みに仏師屋があってそれぞれ分業の店々がまた繁昌をしている。中古の(前同意義)仏師の本家は此所でありました。
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