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TORENDIA

幕末維新懐古談

本文約420字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

甲子の年に大黒様を数多くこしらえた師匠のもとで働いた十三歳の頃と、翌年浅草を襲った大火の記憶を語る高村光雲の幕末維新回顧談。

高村光雲

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🎧 幕末維新懐古談 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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話が少し元へ返って、私の十二の時が文久三年、十三が確か元治元年の甲子年であった。この甲子年はめったには来ません。六十一年目に一度という……それでその時の甲子年には、大黒の信者はもとよりのこと、そうでないものでも、商売繁昌の神のこと故、尊信するもの甚だ多くして、大黒様をその年には沢山にこしらえました。

そして、その大黒さまを作る材であるが、それは、檜材である。日本橋の登る三枚目の板が大事にされたもの……王城の地を中心にして京を上としてある。で、登る三枚目とは室町の方から渡って三枚目の橋板を差すのである。時たま、橋の修繕の際、この橋板は皆が争って得たがったものです。私の師匠の東雲師はその甲子歳には沢山の大黒をこしらえましたが、まだ私は十三の子供、なかなかその手伝いは出来ませんでした。

さて、翌年が慶応元年の丑、私の十四の時ですが、押し迫った師走の……あれは幾日のことであったか……浅草に大火があって、それは実に大変でありました。

完

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