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TORENDIA

右大臣実朝

本文約114,700字 ・ 読了時間 約230分

あらすじ(AIが作成しました)

鎌倉の右大臣・源実朝に仕えた語り手が、その人柄や日常の様子を回想する。文弱や暗鬱と評されることもあるが、語り手の目には雅やかで優雅な人物として映る。十二歳で近習となった語り手は、重い疱瘡を患った際や、大切な書物を焼失して嘆く入道に微笑みかける姿などを通じ、凡俗とは異なる実朝の高貴な精神性に触れる。本書は、歌人としても秀でていた実朝への純粋な敬慕と、当時を懐かしむ追憶の念を綴る。

太宰治

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承元二年戊辰。二月小。三日、癸卯、晴、鶴岳宮の御神楽例の如し、将軍家御疱瘡に依りて御出無し、前大膳大夫広元朝臣御使として神拝す、又御台所御参宮。十日、庚戌、将軍家御疱瘡、頗る心神を悩ましめ給ふ、之に依つて近国の御家人等群参す。廿九日、己巳、雨降る、将軍家御平癒の間、御沐浴有り。(吾妻鏡。以下同断)

おたづねの鎌倉右大臣さまに就いて、それでは私の見たところ聞いたところ、つとめて虚飾を避けてありのまま、あなたにお知らせ申し上げます。間違ひのないやう、出来るだけ気をつけてお話申し上げるつもりではございますが、それでも万一、年代の記憶ちがひ或いはお人のお名前など失念いたして居るやうな事があるかも知れませぬが、それは私の人並はづれて頭の悪いところと軽くお笑ひになつて、どうか、お見のがし下さいまし。

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