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TORENDIA

子どものすきな神さま

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

森に住む子どもの好きな神さまは、人の姿を借りて村の子どもたちと遊ぶ。ある雪の朝、子どもたちは雪に残った顔の跡が人数より一つ多いことに気づき、姿の見えない神さまを捕まえようと兵隊ごっこを始める。番号を呼ぶ声に混じって現れた神さまを囲い込むと、神さまは慌てて森へ逃げ帰り、片方の赤い靴を雪の上に落とす。この出来事以降、神さまは森からあまり出なくなるが、遊びに来る子どもたちを森の奥から呼びかけ続ける。

新美南吉

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🎧 子どものすきな神さま / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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子どものすきな小さい神さまがありました。いつもは森の中で、歌をうたったり笛をふいたりして、小鳥やけものと遊んでいましたが、ときどき人のすんでいる村へ出てきて、すきな子どもたちと遊ぶのでした。

けれどこの神さまは、いちどもすがたをみせたことがないので、子どもたちにはちっともわかりませんでした。

雪がどっさりふったつぎの朝、子どもたちはまっしろな野っぱらで遊んでいました。するとひとりの子どもが、

「雪の上に顔をうつそうよ。」

といいました。

そこで十三人の子どもたちは、腰をかがめてまるい顔をまっしろな雪におしあてました。そうすると、子どもたちのまるい顔は、一列にならんで雪の上にうつったのでした。

「一、二、三、四、……」

とひとりの子どもが顔のあとをかぞえてみました。

どうしたことでしょう。十四ありました。子どもは十三人しかいないのに、顔のあとが十四あるわけがありません。

きっと、いつものみえない神さまが、子どもたちのそばにきているのです。そして神さまも、子どもたちといっしょに顔を雪の上にうつしたのにちがいありません。

いたずらずきの子どもたちは、顔をみあわせながら、目と目で、神さまをつかまえようよ、とそうだんしました。

「兵隊ごっこしよう。」

「しようよ、しようよ。」

そうして、いちばんつよい子が大将になり、あとの十二人が兵隊になって、一列にならびました。

「きをつけッ。ばんごうッ。」

と大将がごうれいをかけました。

「一ッ。」

「二ッ。」

「三ッ。」

「四ッ。」

「五ッ。」

「六ッ。」

「七ッ。」

「八ッ。」

「九ッ。」

「十ッ。」

「十一ッ。」

「十二ッ。」

と十二人の兵隊がばんごうをいってしまいました。そのとき、だれのすがたもみえないのに、十二番目の子どものつぎで、

「十三ッ。」

といったものがありました。玉をころがすようなよい声でした。

その声をきくと子どもたちは、

「それ、そこだッ。神さまをつかまえろッ。」

といって、十二番目の子どものよこをとりまきました。

神さまはめんくらいました。いたずらな子どものことだから、つかまったらどんなめにあうかしれません。

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