本文へ移動
TORENDIA

美しい村

本文約42,600字 ・ 読了時間 約86分

あらすじ(AIが作成しました)

軽井沢に滞在する、小説家の「私」が、村の自然や、出会う人々との日々を、綴る。堀辰雄の、初期の代表作。

堀辰雄

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 61

[#ページの左右中央]

天の気の薄明に優しく会釈をしようとして、

命の脈が又新しく活溌に打っている。

こら。下界。お前はゆうべも職を曠うしなかった。

そしてけさ疲が直って、己の足の下で息をしている。

もう快楽を以て己を取り巻きはじめる。

断えず最高の存在へと志ざして、

力強い決心を働かせているなあ。

ファウスト第二部

[#改丁]

序曲

六月十日 K…村にて  御無沙汰をいたしました。今月の初めから僕は当地に滞在しております。前からよく僕は、こんな初夏に、一度、この高原の村に来てみたいものだと言っていましたが、やっと今度、その宿望がかなった訣です。まだ誰も来ていないので、淋しいことはそりあ淋しいけれど、毎日、気持のよい朝夕を送っています。

堀辰雄の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本