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TORENDIA

批評は解放の組織者である

本文約560字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

小林多喜二の生き方に対する認識や治安維持法がもたらす恐怖の本質を論じる。文学戦線においては人権を守り民主的な姿勢を堅持するための前線が必要であると説き、文学批評については単なる評価の枠を超え、人民の生活関係と結びついて歴史を推進する組織者としての役割を果たすべきだと主張する。当時の社会状況における暗い恐怖感の払拭と、歴史的な推進力を明らかにして前進することの重要性を綴る評論である。

宮本百合子

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多喜二的みがまえということがいわれるとき、あの激しい弾圧の中で多喜二がひどくいびられ最後には殺されてしまったあのいさましい犠牲的な身がまえを要求されるように感じて、それを拒否しようとする動きがあるけれども、それには治安維持法という大きな恐しい影がつきまとっていて、その治安維持法への拒否が自分のあり方を歴史の上で生かそうとした多喜二的身がまえになっているので、この治安維持法へのびりびりした恐怖の根性を引出して日に干してよく殺菌しなければなにかおじおじしたものになってしまう。

また文学戦線の問題も歴史的推進力を明瞭にしながら人権を守るという点をはっきりして、よりよく生きる可能の向上としておしすすめることで、民主的なものについて最後の線を守ることで前線に立つという最後の一線がなくてはならず、どなたもおいでなさいのお手々つないで式では前進しない。

それから文学批評も小さなワクをぬけ出て、人民解放のためどういう意味をもつかを人民生活の諸関係と結びつけてときあかす組織者としての批評が望ましい。そのことは批評家もともども歴史を押し進める推進力を明瞭にするいとなみに協力しあうことが大切だ。ともかくもあの治安維持法によってあたえられたあの暗い暗い恐怖感、あれをなんとしてもとりのぞかなくてはならない。

〔一九四八年十一月〕

完

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