本文へ移動
TORENDIA

新女大学

本文約17,400字 ・ 読了時間 約35分

あらすじ(AIが作成しました)

女子の成長に応じた養育や教育、家庭内での家事や経済への参画、そして現代社会に相応しい礼儀や学問の在り方を論じる。物理学を学問の基礎としつつ、女子が担う家庭の専任としての役割や、文明社会における経済法律の知識の重要性を説く。古来の習慣に囚われず、実生活に役立つ知恵と文明的な常識を備えることを目指し、次代を担う女性が身につけるべき資質と品位の維持について具体的に教示する書である。

福沢諭吉

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 21

一 夫れ女子は男子に等しく生れて父母に養育せらるゝの約束なれば、其成長に至るまで両親の責任軽からずと知る可し。多産又は病身の母なれば乳母を雇うも母体衛生の為めに止むを得ざれども、成る可くば実母の乳を以て養う可し。母体平生の健康大切なる所以なり。小児は牛乳を以て養う可しと言い、財産家は乳母を雇うこと易しとて、母に乳あるも態と之を授けずして恰も我子の生立を傍観する者なきにあらず。大なる心得違にして、自然の理に背く者と言う可し。

一 婦人の妊娠出産は勿論、出産後小児に乳を授け衣服を着せ寒暑昼夜の注意心配、他人の知らぬ所に苦労多く、身体も為めに瘠せ衰うる程の次第なれば、父たる者は其苦労を分ち、仮令い戸外の業務あるも事情の許す限りは時を偸んで小児の養育に助力し、暫くにても妻を休息せしむ可し。世間或は人目を憚りて態と妻を顧みず、又或は内実これを顧みても表面に疏外の風を装う者あり。たわいもなき挙動なり。夫が妻の辛苦を余処に見て安閑たるこそ人倫の罪にして恥ず可きのみならず、其表面を装うが如きは勇気なき痴漢と言う可し。

福沢諭吉の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本