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TORENDIA

うまれて 來る 雀達

本文約720字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

片足を傷つけられた雀は、軒下に三つの卵を産む。蜜蜂から子供も不自由な体ではないかと尋ねられ、雀は子供が自分と同じように周囲から疎まれることを強く案じるようになる。やがて卵からかえった子雀たちは成長し、母雀が見守る中で地べたに降りる。子雀たちが足を引きずることなく歩き回る姿を、母雀は巣の中から見つめる。母としての喜びと不安、そして親子の絆を瑞々しい筆致で描く物語である。

新美南吉

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🎧 うまれて 來る 雀達 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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その 雀は びつこでした。まだ やつと 飛べるやうに なつたばかりの 頃、いたづらな 少年に とらへられて 片足を ひもで 固く 縛られましたため か弱い 足は きづついて しまつたのでした。

その びつこの 雀が 麥畑の 黄く なる 頃 或る 家の 軒に 三つの 卵を うみました。

雀は うれしくて うれしくて、三つの 卵を 胸の 下に ぢつと だきしめて ゐました。

忙しい 蜜蜂が 飛んで 來ました。

「雀さん 今日は」と 蜜蜂は 軒の 巣を のぞいて いひました。

「わたし 卵を うんだの。」と 雀は いつて 胸の 下から 卵を 押し出して 見せました。

「ほゝう、こいつは すばらしい。卵が かへつたら お祝ひに 蜜柑から とつた 上等の 蜜を あげよかね。」と 蜜蜂は いひました。それから ふと、

「あなたのやうに びつこの が 出なきや いゝが。」と 何氣なく つぶやきました。

雀は その 日から 大へん 心配しはじめました。

「わたしのやうな びつこの 子供が 出て 來たら どう しよう。」と 雀は 長い ためいきを つくのでした。「わたしが びつこ びつこと 雀仲間から のけものに されたやうに、この 子供たちも みんなから いぢめられたら どう しよう。」

雀は あまり 心配したので 體は おとろへて、はげしい 晝の 陽ざしには 眼が くらむやうに なりました。

或 朝 三つの 卵は 中から 破られて、三匹の が あらはれました。けれど まだ 羽も ない、眼も あかない 小さな 赤ん坊なので、びつこか どうかは わかりませんでした。けれど その うちに 羽が 生え、嘴も かたまつて 子雀たちは 飛べるやうに なりました。

そこで お母さんの 雀は 子供たちを 一羽づつ 軒から 地べたまで 飛ばしたのでした。地べたに つくと 子雀たちは びつこを ひかずに ちよこちよこと 歩きつて 餌を 拾ひました。お母さんの 雀は 巣の 中から それを 見て どんなに うれしかつた ことでせう。

畑の 麥が 刈られた 明るい 晝で ありました。

完

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