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TORENDIA

白銅貨の効用

本文約1,600字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

十銭白銅貨を単なる貨幣としてではなく、多様な物体的性能を持つ道具として再定義し、その多面的な効用を論じる。分銅としての重量利用、射撃の的、爪磨きの鑢、そして自働販売器などの操作機器としての活用法を挙げ、本来の使途以外の科学的性能を生かした研究の重要性を説く。白銅貨の文化的価値を考現学的な観点から明らかにし、固定観念にとらわれない日常物品の新しい利用可能性について綴る。

海野十三

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🎧 白銅貨の効用 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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シノプシス

政府が鋳造せる白銅貨の効用について徹底的に論じた一文である。これを以て白銅貨の文化的価値を明かにしたものという可く、随って考現学の資料ともなるものである。

序論

ここに十銭の白銅貨がある。この効用は如何? と尋ぬれば、

「十銭の品物を買うことができる。」

或いは

「十銭の持つ財的エネルギーとして、他のエネルギーに変換出来る。」

などというであろうが、それは忠実なる造幣局のお役人と同じ考えに等しく、全くもって十銭白銅貨の極く一部の効用を指したものに過ぎない。十銭白銅貨なんて、そんなツマンナイ物品ではないのである。

以下その効用について論旨を拡げたい。

分銅としての効用

十銭白銅貨は物体であるが故に重量をもつ。そして硬い物質で出来あがっているから、相当乱暴に取扱っても壊れたり擦り減ったりすることがない。そこに目をつけて分銅代りに用いる。十銭白銅貨の重量はザッと一匁である。これは記憶するのにまことに便利だ。随って、杉箸の中央に糸をつけてこれを指でもち、そのところより両方へ等距離の箇所を選び、糸を下げる。一つにはこの十銭白銅貨四個を釣り、他の糸にはアルミ製の物干挟みのようなものをつけ、これに封書をくわえさせる。どっちが上るか下るかによって、郵税として三銭切手を貼るべきか、もう一枚殖やして六銭だけ貼るべきかがわかるという簡易秤の役目をつとめる。

射的としての効用

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