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TORENDIA

芸術家の協力

本文約6,100字 ・ 読了時間 約13分

あらすじ(AIが作成しました)

現代の日本文化が抱える四つの弱点を指摘し、芸術家のあり方を論じる。国民生活に文化が浸透していない現状、文化活動の民間依存、専門部門間の連携不足、そして部門内の対立を克服する必要性を説く。芸術家に対し、個人主義的な習癖を反省し、国家の歴史的使命に応えるため、新しい組織や秩序の中で国民と一体となった創造活動に取り組むよう提言する。

岸田國士

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一

翼賛会の文化部と致しましては、実は、現在の楽壇の実状を考へまして、直ちにこれをどうしようといふ風には考へてゐないのであります。申すまでもなく翼賛運動は国民自身の運動となるべき性質のものでありまして、芸術分野といふやうなものも抑々国民生活の中から生れ出たものであり、従つて国民生活の実際の動きからは離れることはできないものであります。特に音楽などは、今日までどういふ歴史の変遷がありましたにしても、結局国民が求め、国民自身が作り出して来たものでありまして、その時代時代の国民生活の中に生れ、よくその生活を反映してゐることは他の芸術以上ではないかと思はれます。現代の音楽に致しましても、また当然国民現在の生活そのまゝが反映されねばならないものと思ひます。

現在の日本の文化といふものを考へてみますと、特にわれわれが遭遇してゐる今日の重大な時局を思ひ合はせてみますと、そこに甚だ心痛に堪へないものが多々あるやうに思はれます。私としてはすでに十数年来かやうな見解を懐いて来ましたが、特に今日のやうな時期に遭遇しますと、われわれはもはや一刻も猶予ができない、なんとかして国民として誇るに足るやうな現代文化といふものを生み出す力、それをもう今日から準備しなければならない、と思ふのであります。しかも今日からそれを準備するといふことは実は甚だ心細いことであります。文化といふものは明日生み出さうとして即座に明日生み出せるものではないのでありまして、今日の生活の中で遠い将来を考へ、さうして一歩一歩現実に途をつけて行かなければならぬものであります。

二

一般に文化の問題を考へますときに、私は現在の日本の状態にはまづ次のやうな四つの弱点が考へられると思ひます。

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