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TORENDIA

反動ジャーナリズムのチェーン・ストア

本文約2,100字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

ブルジョア・ジャーナリズムの懸賞募集で当選した公開状を題材に、当時のメディアによる反動的な言説を論じる。著者は、ソ連の五ヵ年計画や集団農場に関する事実誤認を具体的に指摘し、投稿者が抱く社会主義への敵対意識を批判する。大手メディアが体制維持のために意図的に偏向した主張を採用し、プロレタリア文学や階級闘争の意義を歪曲する現状を告発し、文化運動の現場に横たわる深刻な戦線の広がりを鋭く浮き彫りにする批評的論考である。

宮本百合子

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ブルジュア・ジャーナリズムで行われるいろいろの懸賞募集の選は、いつも必ずブルジュア・ジャーナリズムの利害の見地でやられる。

当選した文章が、だから、いつもその時応募した数百のものの中で一番正鵠を得て書かれているとか、科学的に正しい社会的認識をもって書かれているとかと云うことは保証の限りでない。

例えば、この「中條百合子様へ」という封建的呼びかけをもった女名前の公開状がそれだ。

この文章の中には、実に基本的な事実の誤謬や、無知さが、偶然か故意か、現われている。或る部分はまるっきり間違った反動的風聞を基礎にして書かれた頼りないものだ。

ところで、これらの欠点が、選をした編輯局では分っていないのだろうか? いや、いや。ハッキリ知っている。

五百余篇も集まった応募文から、何故そんな判りきった誤謬をもったこの一文が当選したのだろう? 答えは一つだ。

この「中條百合子様へ」は、ブルジュア・ジャーナリズムのやりかた、大衆の社会主義社会建設への欲望への毒針を、小さいながら形式において備えている。だから、これは一寸面白いというわけで当選したのだ。本当のプロレタリアートなら恥しいと思う階級的売りわたしで、当選しているのだ。

森鶴子という筆者は書いている。「今年の六月、モスクで開かれた全国経済委員会議でスターリンが五ヵ年計画の失敗を告白している。差別賃銀制が行われるようになった。集団農場から箇別農場へ、強制労働から自由契約労働へ転向した。これは重大な敗北だ。ソヴェト・ロシアのことなら何でもいいと云うかもしれないが、五ヵ年計画について気焔をはいていたお前はこの失敗について何というか?」ソヴェト同盟の五ヵ年計画を中條という箇人の特許品のように云う如何にも滑稽な小ブルジュア的間違いはとにかく、箇々の事実を調べよう。

森君は、どこの全国経済委員会でスターリンの演説をきかれたんだろう。ソヴェト同盟で行われた全国経済委員会でスターリンは、局部的にもそれらしい演説はやっていない。

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