しんせつなあひるさんのおかあさん
1 にはとりさんが、あひるさんのところへあそびにゆきました。
あひるさんは、鉛筆を五本もなくしてしまつたので、こまつてゐます。
2 あひるさんは、にはとりさんにいひました。
「僕は、どうも鉛筆は、お池のなかにあるやうな気がするよ。」とお池のなかへとびこんでさがしはじめました。
3 にはとりさんはいひました。
「僕はどうも、畑のなかにおつこちてるやうな気がするよ。」と畑をほじくりかへしました。
けれども見つかりませんでした。
4 二人は一日中、ほじくつたり、もぐつたりしたので、どろだらけになりましたので、あひるさんのお母様がお風呂にいれてくださいました。
そして、こんなにきれいになりましたので、ごほうびに鉛筆をくださいました。
あひるさんのおたんじやう日
1 あひるさんのお母さんは、あひるさんのおたんじやう日に、にはとりさんと、にはとりさんのお母さんをごちさうによびました。
2 食堂にはいつてごちさうを食べやうとしますと、急に、停電でまつくらになりました。
3 一時間ばかりして電気がついて、テーブルの上を見ますと、沢山あつたごちさうは影も形もなくなつてゐます。あひるさんとにはとりさんがくらいうちに食べてしまつたからです。
4 あひるさんのお母さんと、にはとりのお母さんは、がつかりしましたが、しかたがありませんので、紅茶だけで、がまんしました。
わがままをいつたばかりに
1 あひるさんはお母さんに、すてきな帽子を買つていたゞきましたが、気に入りません。学校へゆくのにこのとほり、お帽子を羽根の下へかくして行きました。
2 にはとりさんは あたらしいおくつを買つていただいたのに、「あんまり新らしすぎてはづかしいや」といつて、カバンの中へねじこんで、はだして学校へ。
3 学校へ行きますと、二人は、頭と、足がいたくなりました。先生は、すぐ二人を自動車にのせて、お家へ送りとゞけて、おつしやいました。
「もう二三日は、おとこの中でぢつとしてゐないといけません。」
4 二人は、ベツドの中で、なきました。けれども、いたしかたございませんでした。