ライオンの大損
本文約980字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
森の威張り屋であるライオンは、昼寝の間に自慢のあごひげを失くす。熊に指摘されて初めて異変に気づいた彼は、きりぎりすから情報を得て森の入口へ向かうが空振りに終わる。ある日、古道具屋のたぬきがそのひげを売り出しているのを見つけ、高額な代金を支払って買い戻す。しかし、川で自身の顔を確認すると既に新しいひげが生えそろっており、金銭を失うという大きな損害を被るまでを描く物語である。
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ある秋の一日、一匹の威張り屋のライオンが森の中で、お昼寝をしてゐる間に、大切な、日頃自慢のあごひげを、誰にとられたのか、それとも抜け落ちてしまつたのか、とにかく起きて、のどがかわいたので、水をのみに、ふら/\と川の方へ行く途中で熊に会ひますと熊は、ライオンをよく知つてゐるのに挨拶をしないので
「熊君、なぜ、挨拶をしない? 失敬じやないか」といつた時に熊は、やつと気がついて
「やあ、ライオン様でございましたか、昨日まで、お見受け致してゐた、あなたのあごひげがないので、ついお見それしたのです。御免下さい。」と答へましたので、ライオンは初めてひげがなくなつてゐることに気がついて、びつくりしたのです。そして大急ぎで、川へ行つて水に顔をうつして見ましたら、熊の言つたことはまつたく本当で、さつきまで、ピカ/\金のやうに、又ダイヤモンドのやうに光つてゐたあごひげがなくなつて、まるで自分の顔が馬鹿に見えるのでした。
ライオンはどこへ落したのか一生懸命に考へましたが、考へつきません。そこへ一匹のきりぎりすが通りかかりました。きりぎりすは大変立派なひげを持つてゐるのです。ライオンは、それを見て、ひげのことなら、きりぎりすに聞いたら分るやうな気がしたものですから
「どこかに僕のあごひげが落ちてゐなかつたか。」と聞きました。するときりぎりすは申しました。
「ああ、それなら僕は知つてゐます。あの森の入口に、落ちてゐたのを見ましたよ。」
ライオンは森の入口へ行きました。するとそこには、毛の生へたとうもろこしが落ちてゐるばかりで、ひげなどは落ちてゐませんでした。
それから一ヶ月ばかりたつたある日、ライオンがある古道具やの前を通りかかりますと、夢にも忘れることの出来なかつた自分のあごひげが、売物になつてかかつてゐるのをみつけました。ライオンは、その家の主人のたぬきに、かみつきたい位腹が立ちましたが、自分のひげと言ふことが分ると困るので我慢して、いくらだと聞きますと、たぬきは、ライオンがひげを落して困つてゐることを聞いて知つてをりましたので、いつもいじめられてゐる腹いせに