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TORENDIA

桃花源記序

本文約2,600字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

武陵の漁師は谷川を遡るうちに、桃の花が咲き乱れる林を見つける。林の尽きるところにある洞窟を抜けると、そこには秦代の戦乱を避けて世間から隔絶された人々が暮らす平和な集落が広がっていた。数日間歓待を受けた漁師は村を去るが、役人に語り帰路を示す印を辿らせても、二度とその場所へ辿り着くことはできない。本作は、理想郷に迷い込んだ男の体験と、その地を再発見できなかった人々の物語を描く。

狩野直喜

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🎧 桃花源記序 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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桃花源記并序

桃花源の記ならびにはしがき、

晉太元中(1)。武陵人。捕魚爲業。縁溪行。忘途之遠近。忽逢(2)桃花林。夾岸數百歩。中無雜樹。芳草鮮美。落英繽紛。

晉の代、太元の頃かとよ、武陵の魚を捕ふる業なすをのこ、谷川にそひ、(舟にて上りしが)路の遠近を辨まへず、上りける程にふと見れば、桃花の林あり、兩岸を夾さみたる數百歩の中には、ひとつの雜木だになく、(其(3)下には)、かうばしき草うるはしく茂りあひ、風に吹かれ花びらのひらひらと「散るさま得も言はれぬ景色なり」

漁人甚異。復前行。欲窮其林。林(4)盡水源。便得一山。有小口。髣髴若有光。便捨舟。從口入。初極狹。纔通人。

をのこいとあやしみ、林のきはみまでと、猶上り行きしに、林の盡くる所、即ち水源なり。ふと見れば(向)に山ありて、其入り口と覺しき穴あり。かすかに日の光あると見ゆ、乃ち船をば捨てつ、口より入り見るに、初めのほどは、きはめてせばく、僅かに、人ひとりを、かよはすほどなるに。

復行數十歩。割(5)然開朗。土地平曠。屋舍儼然。有良田美池桑竹之屬。阡陌相連。犬相聞。

また數十歩ばかり行きけるが、胸すくばかりにひろ/″\と打開らきたる處へ出でつ、見ればいかめしき家居の傍に、良田(よきた)美池(うるはしきいけ)桑竹のたぐひあり、東西南北に人のゆきかふ小路正しく連らなりて、犬の此處彼處になく聲もいとのどかなり、

其中往來種作。男女衣着悉如外人。黄髮垂髫。並怡(6)然自樂。

其中を往來しつゝたがやす男女の身にまとふ衣を見るに、世のものと異なりて、外國人かと怪しまる計り也。又黄色の髮なす老人、もとどりたれたる小兒まで、打まじり、おのがじしたのしむさま、またなく心やすらげに見ゆ、

見漁人乃大驚。問所從來。具答之。便(7)要還家。設酒殺作食。村中聞有此人。咸來問訊。

漁人を見つゝいたく打驚き、いづかたより來り給ひしと問ふに、くはしく答へたりしかば、いざ我家へとて、いなむをうながし、つれ還へり、酒をまうけ、にはとりを殺し、ねんごろに、ふるまひなすうちに、村のものども、まれびとありと聞きつ、みなこの家へ尋ね來りぬ、

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