TORENDIA
商売の繁昌する
家
田中貢太郎
TORENDIA
商売の繁昌する家
本文約400字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
寺の一部を借りた「わかもと」の事務所が手狭でも移転しないのは、そこに入った者は皆大成功を収めてきたという言い伝えのためだと明かす、田中貢太郎の逸話。
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🎧 商売の繁昌する家 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏
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芝公園大門脇に『わかもと』の本舗がある。その『わかもと』の事務所は、寺院の一部であった。観相家の松井桂陰君が某時その『わかもと』の某君を訪問した時、
「あなたのところは、どうしてこんなところに事務所を置くのですか」
と云って訊いてみると、
「これには面白い話があるよ」
と冒頭して話した。
「わかもと」の主人長尾欽弥君がそこへ入って、製薬に著手した時には、貧乏のどん底であったが、忽ちめきめきと発展を遂げたので、狭くはあるし、寺の中にいるのも厭だから、他へ移転しようと思って、それを住職に話したところで、住職が因縁話をしてそれを留めた。それはここへ入った者で失敗した者がない。伊東胡蝶園もここへ入って金を作った。その次に入ったのが不動銀行の牧野元次郎君であった。だから引越さない方がいいだろうと云うので、何千万円と云う大資産を作り、店は倍繁昌して狭い寺の中では不自由であるが、それで出ないとの事であった。
完
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