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TORENDIA

美の日本的源泉

本文約12,900字 ・ 読了時間 約26分

あらすじ(AIが作成しました)

民族固有の美の源泉について論じる。外部の影響を受けても失われない根源的な美の性質を日本に認め、埴輪に見られる清らかで健康的な天真爛漫さ、聖徳太子が法隆寺に残したような無垢な人なつこさ、天平期の仏像に宿る造形美、そして能面に極まる深い含蓄性と幽玄さを具体例に挙げ、それらが世界に類を見ない日本独自の美の源泉であることを説く。この新鮮で闊達な美は、今後の人類文化に寄与すべき可能性を秘めていると主張する。

高村光太郎

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民族の持つ美の源泉は実に深く、遠い。その涌き出ずる水源は踏破しがたく、その地中の噴き出口は人の測定をゆるさない。厳として存在し、こんこんとして溢れて止まぬ其の民族を貫く民族特有の美の源泉は、如何なる外的条件のかずかずを並べ立ててみても説明しがたく、殆ど解析の手がかり無き神秘さを感じさせる。近寄ってこれを観れば、或は紛々として他と分ちがたい程の交流に接する時さえありながら、一歩退いてこれを眺めるとまがう方もない其の民族特有の美の地下泉は、あらゆる形態で到るところにあらわれる。如何なる他からの影響があっても一つの民族は一つの根源的な美の性質を失わない。これの失われる時はその民族が解消する時である。

世界美術史は斯かる民族の美の源泉間に行われる勢力交流の消長に外ならない。或る民族の美的源泉が強力な時、その美は世界に溢流する。或る民族の美の源泉が弱い時、それは多く一地方的存在としてのみ生存する。最も強大な美の源泉は、民族そのものが亡びても其の美の勢力を失わない。一民族を超えて世界の美の源泉となる。

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