本文へ移動
TORENDIA

ぼろぼろな駝鳥

本文約230字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

高村光太郎

速度
🎧 ぼろぼろな駝鳥 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

何が面白くて駝鳥を飼うのだ。

動物園の四坪半のぬかるみの中では、

脚が大股過ぎるぢゃないか。

頚があんまり長過ぎるぢゃないか。

雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢゃないか。

腹がへるから堅パンも喰ふだらうが、

駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢゃないか。

身も世もない様に燃えてゐるぢゃないか。

瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへてゐるぢゃないか。

あの小さな素朴な頭が無辺大の夢で逆まいてゐるぢゃないか。

これはもう駝鳥ぢゃないぢゃないか。

人間よ、

もう止せ、こんな事は。

完

高村光太郎の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本