キューピー
本文約690字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
アメリカ生まれのキューピーがおもちゃ箱から姿を消し、ダルマやブリキの兵隊たちが探しに出る。鼠の助言で三毛猫を疑った一行は問いただすが、猫の言葉から鼠の嘘を察し天井裏へ向かう。そこで痩せ細ったキューピーを発見したおもちゃたちは、協力して元の姿に戻すべく介抱を始める。夢野久作による本作は、おもちゃたちの冒険と日常の騒動を童話的な視点で描く。
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アメリカ生まれのキューピーがいなくなったので、おもちゃ箱の中は大変なさわぎがはじまりました。日本のダルマさんが向う鉢巻でタワシ細工の熊に乗っていの一番に飛び出す。あとから独逸生まれのブリキの兵隊が木造りの自動車で駈け出す。仏蘭西生まれの道化人形は英国生まれのねむり人形と一緒にそのあとから走り出す。みんな出て行っておもちゃ箱は空っぽになりました。
ダルマさんが、敷居の処を通りかかった鼠に、キューピーさんはどこへ行ったか知らないかと尋ねますと、鼠はチューチューと笑いながら、
「それはきっと、この頃この家へ来た小さな三毛猫がおもちゃに持って行ったのだろう」
と言いました。ソレッと言うので、縁側で日なたぼっこをしている三毛猫を捕まえてダルマさんが睨みつける。兵隊さんが剣付き鉄砲を突きつけて、キューピーをどうしたかと聞くと、三毛猫はビックリして顔を撫でて、
「イイエ、ニャンにも知りません。私はお嬢さんの帯だの鞠だのはおもちゃにしましたが、まだキューピーはおもちゃにしたことはありません。おおかたそれは鼠さんが私をここから追い出すためにそんなわるい事をしたのでしょう」
と言いました。
皆は成る程と気がついて、直ぐに天井裏へかけ上って方々を捜しますと、隅っこの方でキーキーピイピイ泣く声が聞こえますので、ソレッと言って馳せつけました。
みるとかわいそうに、キューピーはお腹も何もピシャンコになって、青い眼を泣き腫らして寝ています。みんなは大喜びで連れて帰って、寄ってたかって介抱をして、もとの通りにふくらましてやりました。
三毛猫はその後大きくなって、家中の鼠を皆捕って殺してしまいました。
完