本文へ移動
TORENDIA

自然と人

本文約350字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

美しく荘厳な自然に比べて人間はいかに醜いかを嘆く老いた視点と、それでも自然の伴侶たる希望に満ちた未来を信じる若い視点とを対比し、自らは後者の道連れでありたいと語る有島武郎の随筆。

有島武郎

速度
🎧 自然と人 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

人は自然を美しいといふ。然しそれよりも自然は美しい。人は自然を荘厳だといふ。然しそれよりも自然は荘厳だ。如何なる人が味到し色読したよりも以上に自然は美しく荘厳だ。議論としてそれを拒む人はあるかも知れないが、何等かの機会に於てそれを感じない人はない。

その時或人はかくばかり自然が美しく荘厳であるのにどうして人間はかくばかり醜く卑劣なのだと歎じ、そこに人類の救ひ得べからざる堕落を痛感するだらう。或人はかくばかり美しく荘厳な自然の伴侶となるために、人類には如何に希望多き悠久な未来が残されてゐるかを痛感するだらう。而してそこに深い喜悦と勇気とを湧き立たせるだらう。

老いるものは前の立場に立ち、若き者は後の立場に立つ。而して私は若き者であり、若き者の道伴れでありたい。

(『文化生活』大正十年八月)

完

有島武郎の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本