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TORENDIA

世辞屋

本文約5,900字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

蓄音機の録音技術を応用した世辞屋という新商法が流行する。店主は用途別に分類された世辞を販売し、無人相を気にする待合の女や、客への対応に悩む歌舞伎座の茶屋の男、世辞の重要性を説かれた書生などが客として訪れる。洗練された店構えと愛嬌ある店員たちが応対する中、世辞を買い求める客が後を絶たない。ある日、店を訪れた品の良い男が店の仕組みや道具の選定を巧みに誉めそやすが、店主は同業者同士の商売を拒否する。

三遊亭円朝

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🎧 世辞屋 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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エヽ商法も様々ありまするが、文明開化の世の中になつて以来、何でも新発明新発明といふので追々此新商法といふものが流行をいたしまする。彼の電話機械といふものが始めて参つた時に、互に掛やうを知らぬから、両方で話をしようと思つても、何うしても解らなかつたといふ。夫は何ういふ訳かと後で聞いて見ますると、耳へ附けべき器械を口へ着けてやつたからだといふ。夫では聴えないから解らない筈です、夫から又蓄音器といふものが始めて舶来になりました時は、吾人共に西洋人の機械学の長けたる事には驚きました。実に此音色を蓄へて置く等といふは、不思議と申すも余あることでござりまする。殊に親、良人、誰に拘らず遺言抔を蓄へて置いたら妙でござりませう。幾度掛けてもチヤンと、存生中に物言ふ通り、音色が発するのだから其人が再び蘇生て対話でもするやうな心持になるのだから、大きに是は追善の為に宜からうと考へられまする。

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