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TORENDIA

川へおちた玉ねぎさん

本文約1,900字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

ジャガイモが営む満員のホテルを訪れた玉ねぎの紳士は、空室がないため地下室へ案内される。しかし、そこは野菜の皮を捨てるための電気仕掛けの箱であり、玉ねぎは眠っている間に窓から川へ投げ出されてしまう。自力で岸へ戻り、無事にホテルへ帰還した玉ねぎは、その不思議な縁からホテルの番頭として働くことを決意する。二人の友情と、看板が新しくなったホテルの物語を描く。

村山籌子

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🎧 川へおちた玉ねぎさん / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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ある町にジヤガイモ・ホテルといふ宿屋がありました。主人といふのが、ジヤガイモだつたからです。

主人のジヤガイモさんは大変親切な人だつたので、このホテルにはお客様がいつも多すぎて、どうかすると、一晩に、二人や三人のお客様をことわらなければならぬこともありました。

ある夕方、もう、この上一人のお客様も泊めることが出来ない程、満員になりましたので、「満員になりましたから、お気の毒でも、今晩は、どなたもお泊め出来ません。」といふ大きな満員札をジヤガイモさんは、ホテルの入口にかけようとしました。すると、そこへ、立派な玉ねぎの紳士がやつて来て、ジヤガイモさんに言ひました。

「どうか、ジヤガイモさん、私を泊めて下さい。大変つかれてゐますから。」

ジヤガイモさんは、気の毒に思ひましたけれども、空いてゐる部屋がないので、

「お気の毒ですけれども、何分、もう満員になつてしまひましたから。」とことわりました。

けれども、玉ねぎさんは、朝から遠い道を歩きつゞけて、くたくたにつかれてゐるので、この上歩くことが出来ません。

「馬小屋でも、屋根裏でも、どこでもいゝから、どうぞ泊めて下さい。」とたのみました。

そこで、ジヤガイモさんは考へました。犬さんや、お猫さんならいざ知らず、玉ねぎさんを馬小屋になんぞ泊めたら、いやしんぼの馬が、玉ねぎさんを食べてしまふだらう。屋根裏に泊めたら、遠慮なしのくもが巣をかけるだらう。ジヤガイモさんは大変困りましたが、地下室のことを思ひ出して、

「では、地下室でも、よろしければお泊めします。」と申しました。

玉ねぎさんは大変よろこんで、泊めてもらふことにしました。そして、ジヤガイモさんに案内してもらつて、地下室に行きました。

そこは、真くらで、何にも見ることが出来ませんでしたので、玉ねぎさんは手さぐりで、小さいベツドを見付けて、そこへ横になるなり、ぐつすり寝込んでしまひました。

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