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TORENDIA

屍体と民俗

本文約3,600字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

死者に関わる各地の風習や俗信を挙げ、日本各地に残る特異な民俗を論じる。栃木の『七日晒し』や妊婦の埋葬習俗などを通じ、それらがかつてのアイヌ族の蛮習に由来するものであると指摘する。さらに、死者の肉や骨を食す行為、変死者の屍体に対する支解分葬の慣習、死者の遺体の一部を呪術や薬として利用する信仰などを詳細に記述し、それらがどのように人々の心理や信仰と結びついてきたのかを学術的に考証する。

中山太郎

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🎧 屍体と民俗 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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栃木県足利郡地方の村々では、死人があると四十九日の間を、その死人が肌に着けていた衣類を竿に掛け、水気の断えぬように水をかけるが、これを『七日晒し』と云うている。俚伝にはこの水がきれると、死人の咽喉が乾いて極楽に往けぬから、こうするのだと云うているが、元より信用することの出来ぬ浮説である。私の考えるところでは、この民俗はかつて同地方に住んでいたことのあるアイヌ族が、残して往ったウフイと云う蛮習が、こうした形で面影を留めているのだと信じたい。それではウフイとは如何なるものかと云うに、大昔のアイヌは死人があると、刃物を以て死者の肛門を抉り、そこから臓腑を抜き出し、戸外に床を設けてその上に置き、毎日婦人をして水を濺ぎ遺骸を洗わせ、こうすること約一年を経て四肢身体が少しも腐敗せぬときは、大いに婦人を賞し衣服煙草の類を与えるが、もしこれに反して腐敗することがあると、たちまち婦人を殺して先に葬り、その後に死人を埋めるが、これをウフイと称えている。アイヌ族では棺及び葬具に、その家々の格式による彫刻を入念にするので、一年位を経ぬとこの彫刻が出来上がらぬので、屍体をこうして保存するのだと云うことである。即ち知る足利地方の七日晒しは、このウフイの蛮習が形式化されたものであることを。そしてこうした先住民族の間に行われた民俗が、今に各地に残存していることは決して珍しいものではない。その一例として次の如きものもある。

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