TRENDIA CLASSIC

岡本かの子

1 / 10

非有想非無想処――大智度論

時は寛保二年頃。

この作中に出る人々の名は学者上りの若い浪人鈴懸紋弥。地方藩出の青年侍、鈴懸の友人二見十郎。女賊目黒のおかん。おかんの父。

上目黒渋谷境、鈴懸の仮寓、小さいが瀟洒とした茶室造り、下手に鬱蒼たる茂み、上手に冬の駒場野を望む。鈴懸、炉に炬燵をかけて膝を入れながら、甘藷を剥いて食べている。友人の二見、椽に不動みやげ餅花と酒筒を置いて腰かけている。

岡本かの子の他の作品