TRENDIA CLASSIC

今世風の教育

新渡戸稲造

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私が始終青年のために憂えていることの一つは、概して日本の青年は薄ッぺらであるということ。書物を読むにいささか文字を頭に入れるというだけに止まって、その文の精神を解することを力めないし、甚しきはその意味さえも理解しないでいる者が多い。その癖に大きな書物を読みたがる。難かしい書物を手にしている。この点に於ては、外国殊に亜米利加だの欧羅巴の書生に較べて、日本書生の極く悪い癖であって、ちょっと話振を聞くと、高尚なような、また深いように聞えるけれども、モウ三分か五分話していると、己れ自からが意味を解さないで話しているものだから、直ぐに襤褸が出て、薄ッぺらな所が顕われる。これは青年のみならず教師が悪いのであって、教師がややもすれば半解であって、教えることを自ら消化していない。その癖大きな問題を担ぎ出す、あるいは大きな書物を引照している。

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