TRENDIA CLASSIC

教育家の教育

新渡戸稲造

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今日は教育家の大会を御催しなされたに付きまして御招待に預り出席致しましたが、私は普通いわゆる教育家という方々の仲間入を致しましたのが昨年の暮でありまして、まだ十分に教育家たるの資格も具えておらずまたその心得も持ちませぬので、諸君の前に立って教育に関する意見を述べる期節にはまだ至りませぬ。然るにいわゆる教育界に身を投じましたに付いてはどういう心掛けをせねばならぬか、どういう責任があるか、また一体教育家なるものは如何なるものなるか、段々考えました。然るに未熟の考であって何にも未だ判断致しかねまするが、幸に今日は教育に経験のあられる、あるいは知識のあられる方々の御集合であるから、いささか未熟な考を述べて教を受けたいと思う。その教を受けたいというのが私の本意で此処に参ったのであります。

就きましては題が教育家の教育、ちょっと題だけを御覧になりますと甚だ無礼に聞えましょうが、私自分が今日は教育家の一人になった積りであるから、私自身の教育は今後どうしようと考えたのである。付けては教育家の教育とは即ち私自分で今後どういう教育を我が身に施そうかと大きな声で自分を誡めるに当るので、もしこの中に無礼なことを言いましたならば、大きな声で自分を叱り付けるのであると思召あらんことを偏に希望致します。(喝采)

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