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TORENDIA

手紙

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

紀州の奉行や船将に対し、イロハ丸の船代および荷物の賠償問題をめぐって後藤庄次郎らと交渉を重ねる様子を綴る。度重なる議論を経て相手側が薩州へ仲裁を頼む事態にまで発展するが、土佐の軍艦を用いてでも解決を図る意志を示す。あわせて、紀州側との交渉が片付き次第、後藤と共に上京する予定や、黒沢直次郎を巡る奇妙なやり取り、曽根拙蔵として参る小曽清三郎を匿うための対応について記す。

坂本龍馬

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🎧 手紙 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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其後ハ定而御きづかい察入候。

しかれバ先ごろうち、たび/\紀州の奉行、又船将などに引合いたし候所、なにぶん女のいゝぬけのよふなことにて、度々論じ候所、此頃ハ病気なりとてあわぬよふ(に)なりており候得ども、後藤庄次郎と両人ニて紀州の奉行へ出かけ、十分にやりつけ候より、段々義論がはじまり、昨夜今井・中島・小田小太郎など参り、やかましくやり付候て、夜九ツすぎにかえり申候。昨日の朝ハ私しが紀州の船将に出合、十分論じ、又後藤庄次郎が紀州の奉行に行、やかましくやり付しにより、もふ/\紀州も今朝ハたまらんことになり候ものと相見へ、薩州へ、たのみニ行て、どふでもしてことわりをしてくれよとのことのよし。薩州よりわ彼イロハ丸の船代、又その荷物の代お佛候得バ、ゆるして御つかハし被レ成度と申候間、私よりハそハわ夫でよろしけれども、土佐の士お鞆の港にすておきて長崎へ出候ことハ中/\すみ不レ申、このことハ紀州より主人土佐守へ御あいさつかわされたしなど申ており候。此ことわまたうちこわれてひとゆくさ致候ても、後藤庄次郎とともにやり、つまりハ土佐の軍艦もつてやり付候あいだ、けして/\御安心被レ成度候。

先ハ早かしこ。

五月廿八日夕龍 鞆殿 猶、先頃土佐蒸気船夕顔と云船が大坂より参り候て、其ついでに 御隠居[#「御隠居」の左に「土佐御いんきよ」の注記]様より後藤庄次郎こと早々上京致し候よふとの事、私しも上京してくれよと、庄次郎申おり候ゆへ、此紀州の船の論がかた付候得バ、私しも上京仕候。此度の上京ハ誠ニたのしみニて候。しかし右よふのことゆへ下の関へよることができぬかもしれず候。京にハ三十日もおり候時ハ、すぐ長崎へ庄次郎もともにかへり候間、其時ハかならず/\関ニ鳥渡なりともかへり申候。御まち被レ成度候。

○おかしき咄しあり、お竹に御申。直次事ハ此頃黒沢直次郎と申おり候。今日紀州船将高柳楠之助方へ私より手がみおや候所、とりつぎが申ニハ高柳わきのふよりるすなれバ、夕方参るべしとのことなりしより、そこで直次郎おゝきにはらおたてゆうよふ、此直次郎昨夜九ツ時頃此所にまいりしニ、其時高柳先生ハおいでなされ候。

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