TRENDIA CLASSIC

『火星兵団』の作者の言葉

海野十三

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この書『火星兵団』は、私がこれまでに書いた一等長い小説であります。

少国民新聞(今は名前もなつかしい当時の「小学生新聞」)に、前後四百六十回にわたって連載されたもので、作者としても、これを完成するのに、精根をつくしました。

この小説のすじがき

この『火星兵団』の筋は、ある年、とつぜん地球にモロー彗星が接近し、そしてやがて地球に衝突するだろうということが分り、二十億年という永い歴史をもつ地球が、ここにかなしき崩壊をとげなければならぬことになりまして、世界は大さわぎを始めました。その折しも、この地球のさわぎを知った火星の生物が、地球の崩壊前に人類やその他の動植物を手に入れ、火星へ持ってかえって、人類や動物は、これを家畜とし、植物も新しい資材として利用しようと思い、ここに火星兵団を編成して、地球へ攻めてくるのです。そのために、わが地球は、二重の危機をひきうけることとなるのですが、不屈の精神と、優れた科学力を持った人類は、ついにこの難局を切り抜けるというのが大体の筋であります。

なぜ私が、こんな筋の少年科学小説を書いたかということについて、すこしく説明をさせていただきましょう。

皆さんを科学に総動員したい

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