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TORENDIA

雪

本文約76,200字 ・ 読了時間 約153分

あらすじ(AIが作成しました)

北海道で雪の結晶の研究を行う著者が、自然現象への理解を促すためにその成果をまとめた書。雪による災害や人々の生活との関わり、そして雪の物理学的研究の歴史や結晶の種類について解説する。あわせて、雪の結晶の一般分類や人工雪の製作実験、積雪の性質についても詳細に記述し、雪という身近な自然現象の深淵を多角的な視点から解き明かす。

中谷宇吉郎

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序

この本は雪の結晶について私が北海道で行った研究の経過及びその結果をなるべく分りやすく書いたものである。勿論専門の学者の人に読んでもらうつもりは毛頭ないので、ただ自然の色々な現象について正当な理解を持ちたいと思っておられる人々に、少しでも自然現象に対する興味を喚起する機縁になれば有難いと思って書いたものである。雪といっても問題の範囲が広いので、その中で私が主として調べたのは、雪の結晶についてである。随って雪に関する色々な問題、例えば雪崩とか、スキーと雪との関係とかいう風な話はこの本の中には出て来ない。主な話はこの本の第三話、「北海道における雪の研究の話」及び第四話、「雪を作る話」の中に収められているのであるが、自然科学に対して別に関係のない読者のために第二話を挿入した。そういう人々のためにこの本を書いたので、雪は水蒸気が凍ったものであるというような分り切ったことまで説明したのである。

北海道における研究の外に、この数年来、私は新庄にある農林省の積雪地方農村経済調査所の仕事に少しばかり関係が出来て、其処で雪害の実状を見聞している中に、雪と人生との間の深い交渉に驚かされたのである。そして色々気の付いたことを第一話「雪と人生」の中に述べることにした。しかしこの方は結晶の話とちがって私の本当の専門ではないので、大抵は受売りの話である。

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