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TORENDIA

記憶

本文約180字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

萩原朔太郎

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🎧 記憶 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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記憶をたとへてみれば

記憶は雪のふるやうなもので

しづかに生活の過去につもるうれしさ。

記憶は見知らぬ波止場をあるいて

にぎやかな夜霧の海に

ぽうぽうと鳴る汽笛をきいた。

記憶はほの白む汽車の窓に

わびしい東雲をながめるやうで

過ぎさる生活の景色のはてを

ほのかに消えてゆく月のやうだ。

記憶は雪のふる都會の夜に

しづかな建築の家根を這ひまはる

さびしい青猫の影の影

記憶は分身のやうなものだ。

完

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