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TORENDIA

感傷の塔

本文約210字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

萩原朔太郎

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🎧 感傷の塔 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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塔は額にきづかる、

螢をもつて窓をあかるくし、

塔はするどく青らみ空に立つ、

ああ我が塔をきづくの額は血みどろ、

肉やぶれいたみふんすゐすれども、

なやましき感傷の塔は光に向ひて伸長す、

いやさらに伸長し、

その愁も青空にとがりたり。

あまりに哀しく、

きのふきみのくちびる吸ひてきずつけ、

かへれば琥珀の石もて魚をかこひ、

かの風景をして水盤に泳がしむるの日、

遠望の魚鳥ゆゑなきに消え、

塔をきづくの額は研がれて、

はや秋は晶玉の死を窓にかけたり。

完

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