本文へ移動
TORENDIA

山上の歌

本文約560字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

山上に集った同志たちが、眼下に広がる産業都市を眺めながら労働運動の現状と決意を綴る。産業合理化の嵐の中で抑圧される労働者の憤懣を代弁し、工場の監守や暴圧を排して全協関東地協を確立する過程を描く。社会民主主義者の策動を糾弾し、非合法活動を続ける各産別の仲間と共に、飢餓と失業に立ち向かう闘争の火蓋を切る。革命の拠点となる関東地協の旗揚げと、日本共産党への忠誠を誓い合うまでの高揚した情景を詩的な言葉で表現する。

今村恒夫

👁 1 ビュー
速度
🎧 山上の歌 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

同志等よ 素晴らしい眺めではないか

君達の胸はぶるぶると打ちふるえないか

脚下の街に林立する煙突と空を蔽う煤煙と

るるるるっと打ちふるえている工場の建築物

おお そして其処で搾りぬかれた仲間等が吹き荒ぶ産業合理化の嵐の前に怯え 恐れ 資本への無意識的な憤懣の血をたぎらせているのだ

街は鬱積した憤懣で瓦斯タンクのようになっている

街は燐寸の一本で爆発へ導く事が出来るのだ

そして俺達は厳重なパイや工場の監守の目をかすめて山上に会合を持ち得たではないか

報告――討議――そして全協関東地協の確立へ

今憤懣の街へ点火する強力な燐寸が形づくられ口火は既に切られたのだ

街は間もなく爆発するだろう 飢餓と失業のどん底に労働者は番犬や守衛の暴圧をけ飛ばして逆襲するだろう いつも俺達を売り飛ばした社会民主主義者の策動を叩きつける要求を闘いとる迄頑張り通すだろう

おお同志等よ いつか赤旗を声高くうたっているものよ また爆発した日の街を思っているもの その日の戦術を思いめぐらせているものよ そして白テロと反動の重圧の下に血の出るような非合法活動をつづけて来た各産別の同志等よ

暮れ行く街の夕景に雄々しく踏み出した俺達の第一歩――関東地協の確立と俺達のオヤジ日本共産党万歳を高らかに叫ぼうではないか

(『ナップ』一九三一年十月号に今村桓夫名で発表『今野大力・今村恒夫詩集』改訂版を底本)

完

今村恒夫の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本