TORENDIA
哀詩数篇
漢那浪笛
TORENDIA
哀詩数篇
本文約330字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
暗がりに沈む希望を、深海の底の貝殻の螺旋にたとえ、夕暮れの鐘の音に胸を痛める者の声を聴きとろうとする、漢那浪笛の哀詩。
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くらがり
なすによしなき哀れさよ、
早や日数経て、今日の日も
暗がりわたる物おもひ。
水や空なる波の上に、
淋しくかゝる綾雲は、
やがて消ゆべき希望かや。
その希望もて吾が道は、
深海の底の青貝の、
螺線の中のゆきもどり。
物の幾度□貝□葉に、
灰色なせる涙もて、
悲哀の文字を印せしも、
暗き深みのみなぞこの、
声も言葉もかよわねば、
昨日も今日も、かくて暮れゆく。
暮の鐘
灰色の雲かさなりて、
黄昏は死人のけわひ。
しく/\と泣きいる風は、
谷隈の底をはひ出で、
黄ばみたる木立はらひぬ。
冷やかな自然よ君と、
今日も又、かくて暮れゆく、
哀音の鐘の響きは、
痛みたる君が胸より、
傷た振るる、苦患の声か。
うなだるる眼ひらきて
黄昏の空を仰げば
奥津城の岩のほとりの、
小山なす屍の上に、
胸もどき声をきゝしる。
完
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