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TORENDIA

洗いづくりの美味さ

本文約1,200字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

関西魚を筆頭とする魚の美味さや、産地ごとの特色を論じる。特に東京近海で獲れる星がれいの洗いづくりの格別な美味さを称賛し、他にもすずき、こち、いわな、鮎など様々な魚種における洗いの魅力や、それぞれの適した調理と味わいについて記述する。また、生簀の重要性や地方による市場設備の差についても触れ、それぞれの魚がもつ風味や美味しさの基準を独自の視点から解説する食の随筆である。

北大路魯山人

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🎧 洗いづくりの美味さ / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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美味いさかな、それはなんと言っても、少数の例外は別として関西魚である。さかなによっては、紀州、四国、九州ももちろん瀬戸内海に同列するものである。伊勢湾あたりから漸時西方に向かい、瀬戸内海に入るに及んでは、誰しもなるほどと合点せざるを得ないまでに、段違いの美味さをもつことは、夙に天下の等しく認めるところで、関東魚はこの点、一言半句なく関西魚の前に頭を下げずにはいられない。しかし、例外の逸品にかかっては、またどうしようもないもので、これから七、八月ごろまでつづく東京近海もののピカ一、星がれいの洗いづくりの前には、関西のそれなど、とても及ぶものではない。私はめったに天下一品などと言おうとするものではないが、こればかりはどうしても天下一品と叫ばざるを得ないのである。

東京築地の魚河岸における朝の生簀には、その偉容、実に横綱玉錦といった風な面構えをもって、水底に悠然たる落着きを見せている。美味さ加減は大きさで四百匁くらいが上乗。ふつう行われる黒だいの洗いよりは少々厚目につくり、水洗いしたものを直ちに舌上に運べば、まさに夏中切っての天下第一の美肴として、誇るに足るものである。このかれい、なかなか大きく成長し、一貫目以上のものも決してめずらしくないが、味の上では問題にならない。

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